家づくりにおいて最も大切なのは、しっかり家を支える「地盤」といっても過言ではありません。

近年、急激に増加した欠陥住宅。その原因の中には、 軟弱地盤に建てられたことによるものだという実例が数多くあります。日本の国上は他国に比べ、軟弱地盤が多いと言われており、宅地として利用できる上地は決 して多くありません。ところが、住宅事情の変化にともない、軟弱地盤にも人工的に手を加え、宅地として利用するようになってきたのが地盤事故の原因と思われます。

地震大国日本

地震大国日本。このような軟弱地盤の上に家を建てるのは、不安の上に家を建てるようなものではないでしょうか。
近年発生した地震による地盤事故や家の破損事故、このような事故の中には、適切な地盤補強や改良を施していれば防げていた事故も数多くあったと思われます。

地盤の大敵、液状化

液状化とは、細かい砂が緩く積もった地盤に起こる現象のことで、砂が、地震などで圧力の強い水に押し上げられ、支持力がなくなり、液体に近い状態となること で、このときに水と一緒に細かい土粒子を持ち出すため地盤沈下が起こります。

家事より怖い不同沈下

軟弱な地盤や、盛土地盤などで、地盤が徐々に沈下してその上の建物が地盤に追随して傾くことがあります。このような現象を不同沈下と言います。また、地盤補 強・改良をしても、不同沈下等による地盤事故が発生してしまうケースも数多くあります。

地震より怖い大雨の地盤災害

大雨による地盤の緩みや土砂崩れ、雨の多い時期になるとよくニュースで知る事が多くなりますが、これも他人事ではありません。 新しい住宅造成地や高い盛り土 をしている場所。また、傾斜状の宅地などでは、その水量により地盤の緩みや沈下などをおこす割合が多くなります。場所と環境によっては地震より怖い存在かも しれません。

地盤沈下の種類

不同沈下

不同沈下とは地盤沈下の一種で、建物が不揃いに沈むことを言います。家全体が均等に沈むのではなく、一方向に斜めに傾くような状態のことです。不同沈下が起きると建物自体の資産価値を著しく低下させます。

不同沈下

液状化現象

地震の振動によって砂地盤が振動により液体状になる現象。これにより建物などは埋もれたり倒れたりします。液状化は予防は困難ですが、地盤改良による対策は可能です。
下記の例は地盤改良が必要な例となります。

不同沈下が起きた場合はどうしたらよいのでしょうか?

その際の方法として、以下のような方法があります。・土台から家をしっかり持ち上げて、その上で基礎の工事をやり直す・杭を打ち、それを支えにしてジャッキアップを行う
といった方法が採られるようです。

実際のところ、補修費用は平均して397万円かかっているというデータもあります。場合によっては500万~1000万円といった多額の費用がかかることもあるようです。

既存の地盤改良の問題

地盤沈下を防ぐ地盤改良には、代表的なものが下記の3つの工法です。

①表層改良方法
②柱状改良方法
③鋼管杭

この既存の3つの地盤改良工法には、非常に大きな問題点(リスク)があります。

既存の工法

既存工法による3つのリスク

①環境汚染問題(土壌汚染問題)

環境汚染問題(土壌汚染問題)表層改良工法と柱状改良工法が主に該当します。この2つの工法はセメントと土が混合する工法ですが土とセメントの化学反応により六価クロムという発がん性物質が発生する可能性があります。(六価クロムの詳細説明はコチラ

②資産の目減り問題

資産目減り問題というのは、土地に埋めた埋設物による土地評価の下落のことです。お金を出して地盤改良したのに、最後は補強のために土地に埋めた物が産業廃棄物になってしまうのです!2003年より、地下埋設物や土壌汚染物質が土地評価の際にマイナス評価されることが明文化されました。現在表層改良や柱状改良などのセメント系改良や鋼管杭が地盤改良工事の主流ですが、土地評価に対しての対策は行われておりません。売却時には、地中に埋まっている鋼管杭やセメント杭は産業廃棄物としてみなされますので、撤去 する必要があります。この撤去費用は、すべてお施主様(お客様)負担となってしまいます。また、同じ土地に家を建て替える場合も、基礎の形状が変わるので、打った杭は抜かなくてはなりません。これもお施主様負担となってしまうのです。

地中埋建設物撤去費用(例)(建坪25坪、木造2階建ての物件モデル)

上図のように、埋設物の撤去費用が土地によっては約200万円もかかる場合もあるのです。これは地球環境問題だけでなく、お施主様の費用負担を考えると、安易な判断の地盤改良は大変危険とだということがわかります。また、セメント系改良によって土壌汚染が発生していると、その汚染の浄化費用も負担せざるを得ません。このような資産目減り問題については、お施主様にそのリスクが十分に説明されていないことがこの業界の問題として挙げられています。

③品質不良問題

これは工事の品質管理の問題です。
右記の図は、支持地盤の起伏を考慮しないで、事前調査による想定設計に基づき施工がなされているケースです。
つまり事前調査だけに頼り、しっかり家を支えられる層に杭が刺さってないということなのです。
この既存の3つの地盤改良工法には、非常に大きな問題点(リスク)があります。

既存の工法

右記の図は、セメント系固化剤と腐食土との相性の問題による固結不良が生じているケースです。これは腐食土や地下水脈等によりセメントが固まらないということが原因です。このようなちょっとした問題が地盤沈下などに繋がるのです。

上記のように様々な技術的な問題点が指摘されていますが、この品質不良問題においては、根本的な問題点があります。それは、地改良工事施工後に性能検査を実施していない住宅会社があるということです。この試験を行わないと、改良をした地盤にきちんと強度があるのか確認できません。したがって、施工後にどういった試験で、地盤の強度を測定しているかということについて、お客様ご自身が確認をしなければなりません。

既存の工法

※一方で、道路工事などの公共工事では、平板載荷試験等による性能検査が当たり前のように行われています。
このような事故を起こさないためにも、地盤改良後の性能検査は必須です。住宅会社にきちんと確認をしましょう。

六価クロムについて

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